SwiftとObjective-Cの違い

Objective-Cとの違いは?

Objective-Cとは

Swiftを開発する際にベースとなったのがObjective-Cです。Swiftエンジニアを目指すなら、Objective-Cとの違いについても理解しておきましょう。Objective-Cの最大の特徴が、C言語をベースにしている点です。C言語はすでに時代遅れとさえいわれているプログラミング言語ですが、過去に蓄積された情報が膨大で、簡単に見切ることはできません。表記が独特で分かりづらく、ライバル言語であるC++と比べても複雑で、この点がSwiftとは大きく違います。C言語について深い理解がなければObjective-Cの構造も分からない部分が多いので、初心者にとってはハードルが高いでしょう。

Swiftの利点

Swiftは上記で述べたようなObjective-Cが抱える問題を解消できるプログラミング言語です。古いプログラミング特有の分かりづらさや面倒な部分を改善してシンプルになっているので、現代的なモダンプログラミングを実現できます。例えば、Objective-Cでクラスを定義する際はヘッダファイルとソースファイルの2つのファイルを用意しなければなりません。一方で、Swiftはソースコードを大幅に短縮できます。加えて、Swiftは強力な型推論や処理速度を備えており、表記もスマートです。この点が、Objective-CからSwiftに移行する最大のメリットといえます。しかし、Swiftはまだ歴史が浅く、ケースによってはObjective-Cの力が必要になることもあります。

共存することが大切

Swiftエンジニアとして活躍の場を広げるなら、Objective-Cと共存して用いることをおすすめします。新しいアプリを開発するのであれば、Swiftがいいでしょう。仕様が新しく、処理速度も抜群です。加えて、アプリのメンテナンス性を高めることもできます。逆に、Swiftが不得意とする分野に関してはObjective-Cとの共存が必要になります。不得意な分野でライブラリを使用せざるを得ない場面において、Objective-Cを呼び出して2つのプログラミング言語を共存させることで問題を解消できます。

今後の流れ

現状では、Swiftを最大限活用するためにはObjective-Cについても理解を深めておく必要があります。しかし、今後はObjective-Cを廃止する流れが強まっていくでしょう。事実、Swiftify、iSwift、objc2swiftなどの、Objective-CからSwiftへの変換ツールが複数存在しています。とはいえ、これらのツールはまだ完全ではありません。一部変換できないコードが存在します。世の中の流れでいえばObjective-CからSwiftに移行する方向に向かっていますが、過去の遺産を全てSwiftに置き換えるまでにはもう少し時間がかかるでしょう。